妄執の座

与太話と同人ノベルゲーム開発日誌的な文字の塊

『虚無に揺蕩う祷り』頒布延期について

お久しぶりです。リラです。
表題の通り、現在制作中のヴィジュアルノベル『虚無に揺蕩う祷り』の頒布を延期します。申し訳ありません。
現在の開発進行度は70%程です。
変更後の頒布時期は未定ですが、なるべく早い完成を目指して制作を進めていきます。
よろしくお願いします。

 

話は変わりまして、先日今村夏子さんの『むらさきのスカートの女』という本を読みました。
こちらは2019年上半期の芥川賞受賞作ということですが、結果だけ言うと大変面白かったです。
村田沙耶香さんの『コンビニ人間』という本を読んだ時にも思いましたが、僕は「女の人が描いたイかれた女」みたいなものが好きなのかもしれません。

どちらの作品も主人公の危うさに終始ドキドキしながらページをめくっていました。この感覚がどうにも心地良いのです。
こういった作品に出て来る頭のおかしい人物たちは、一見して誰にでも簡単に描けそうに見えます。ですが当然そんなことはありません。
例えば、紙面(ノベルゲームで言えば画面)いっぱいに「あはは」だの「ひひひ」だのと文字を書き連ねたところで恐ろしさは全く出ません。

そもそも何ひとつ面白くないですし、厚さ3ナノメートルくらいの薄っぺらい人物像ができあがるだけです。

それならとにかく滅茶苦茶な行動をとらせまくったるわいと鼻息を荒くしても、やっぱりそれぞれが3ナノメートルなので、それらをいくら積み重ねたところでミリメートルはおろか、マイクロメートルすら遥か彼方です。
あの全身の穴という穴から滲みだすような気味の悪さを描き切るのは並大抵のことではないのです。
そしてこれらと似たようなことは、どんな人物を生み出す際にも当てはまると思います。

優しい人なら優しい人なりの、短気な人なら短気な人なりの実存を伴った描き方がきっとあるはずです。
共通して大切なことは、その人々のそれまでの人生としっかり向き合うことなんじゃないかと僕は考えています。

これが正しくできれば確かな肉体を持った人間がそこに生み出されるような気がします。

成せた経験がないので合ってるかどうかはわかりません。勝手にそう信じているだけです。
何はともあれ、僕も素敵な人間を描けるように日々精進していきたいと思います。 

目下はやっぱりカワイイ女の子!