妄執の座

与太話と同人ノベルゲーム開発日誌的な文字の塊

1200年密室伝説とps5

コミティア134が終わって2週間ほど経ちました。

改めて、作品を手に取ってくださった方、スペースにお越しくださった方、ありがとうございました。

僕にとってはこれが初めてのサークル参加で、とにかく緊張していたのですが、この苦しい情勢のなか、創作に情熱を傾ける皆さんの姿を見ているうちに、何だかすごく気分が良くなっていました。

サークル側の人たちも一般参加者側の人たちも、マスク越しでも分かるくらい生き生きとした表情をしていて、こういう気持ちに垣根はないんだなあと、しみじみ思いました。

イベントというのは本当に素敵な場所ですね。

僕もこれからずっと何かを作り続けて、この輝かしい空間の片隅に自分の居場所を作れたらいいな、とそんなことを思っています。

今後も無理せず、ほどほどに頑張っていきます。

 

さて、話は変わって、最近清涼院流水さんの『コズミック』という本を読みました。

これは、講談社が行っているメフィスト賞という賞の第2回受賞作だそうです。

この『コズミック』という作品は、かねてより、なかなか一筋縄ではいかない作品だと耳にしていて、長い間気になっていました。

これまで触れる機会がなかったのですが、今回ふと思い出して手に取ってみました。

そしてこの作品の原題が、標題の『1200年密室伝説』という訳です。

そこに書かれていた内容は、聞いていた通り途轍もないものでした。

物語は、1994年1月1日午前0時1分、密室卿という人物から警察、マスコミ各社、JDC(日本探偵倶楽部という日本中のエリート探偵が所属する架空の組織)宛てに「犯罪予告状」と記されたFAXが届くところから始まります。

その内容はこうです。

「今年、1200個の密室で、1200人が殺される。誰にも止めることはできない」

最初の犯行はこの直後、京都の平安神宮で、3万人の初詣客のなか行われます。

それから毎日最低3人ずつ、被害者は全国各地のあらゆる密室で首を切断され、背中に被害者自身の血液で「密室〇」(〇は被害者の順番を表す大字――単純な字形の漢数字の代わりに用いる漢字――)と記された状態で発見されます。

果たして犯人は、どうやってこれらの密室殺人を成しているのか、またどういう意図でこれだけたくさんの人間を殺害するのか、そしてその犯人、密室卿とはいったい何者なのか――。

この恐ろしい大犯罪に、先述のエリート探偵たちが挑んでいきます。

とまあ大体こんな話なのですが、僕はこの導入に触れただけですぐにやられてしまいました。

ネタばれになるので詳しくは書けませんが、たくさんの探偵が登場し推理が始まる中盤以降は本当に目が離せなくなります。

特に終盤辺り、解決へと向かう展開は凄まじいもので、この作品に賛否があるというのも大いに頷けます。

これに憤りを覚える読者がいるのも仕方ないことでしょう。

ある人の言葉を借りれば「良くも悪くも壊れている」といったところです。

とはいえ、この『コズミック』という本がとんでもない作品であることは間違いありません。

それが良いにしろ、悪いにしろ、読んだ人の心を激しく揺り動かすのは確かだと思います。

ぜひ一読してみてはいかがでしょうか。

 


さて、さらに話は変わりまして、ps5です。

実は先日行われたヨドバシカメラの2回目の抽選で、僕はこれを運よく手に入れることができました。

通常版の最終倍率は確か57倍だった筈ですので、約1.75%の狭き門を突破したことになります。

ほとんど奇跡みたいなものですね。

僕のゲームへの愛が神様に伝わったのかもしれません。

とにかく当たってよかったです。

しばらくプレイしてみた感想ですが、まず第一に大きいです。

この辺のことは発売前からしきりに言われていましたが、まさしくその通りで、設置してみたところ駅前の自販機とピッタリ同じサイズでした。

ですが、その静音性たるや凄まじいものです。

顔を近づけなければ、ファンの音はほとんど聞こえません。

僕はモニタのすぐ隣に置いているので、かなり近い方だと思いますが、それでもそんな感じです。

多くの人は大きいテレビの近くに置いて、ある程度離れたところからプレイすると思いますので、これについてはまず気になることはないと思います。

次にコントローラーです。

こちらも進化が著しく、振動の細かさやトリガーを引いた時の抵抗の変化がとても面白いです。

よく言われるように、金属の床と草むらの違いや弓を引き絞る際の手応えなどが、驚くべき精度で表現されています。

ただし、これらはコントローラーの性能だけで実現されている訳ではありません。

こちらはあまり言及されませんが、音が重要な役割を果たしています。

例えば金属の床なら、甲高い音とノックするようなごく短い振動、弓を引く時なら、トリガーの重い抵抗に加え、最後まで引き絞った際のキリキリという軋みの音と小刻みな振動、これらが上手く噛み合ってそれらしい感覚を生み出すのです。

トリガー、振動、音、これらすべてが重要で、どれか一つでも欠けてしまえば、これほどのリアリティは表現できないと思います。

それから、評判通りロードも早いです。

ps5向けに作られたゲームであれば何をするにもほとんど待ち時間がありません。

ps4のゲームに関しても、ソフトによりますが、大体どれも早くなっています。

早いものだと、誇張なく1/10くらいになっていると思います。

さらに、フレームレートやグラフィックの向上に対応しているタイトルもあります。

試しに『SEKIRO』をプレイしてみましたが、バッチリ高フレームレートになっていました。

最高です。

ただここまで話しておきながら、実はps5のプレイ時間はかなり少なめです。

というのも、ps5で動かすと不具合の出るソフトの中に、プレイしたいゲームが一つ含まれていて、先にそちらに手を付けているためです。

まさかps5がこれ程早く手に入るとは思っていなかったので、こればっかりは仕方ありません。

で、そのゲームというのが『THE SURGE』というタイトルです。

このゲームは端的に言うと、SFダークソウルです。

デモンズソウルやダークソウルがヒットして以降、山ほど作られた、いわゆるソウルライクと呼ばれるものの一つです。

そしてこのゲームに関して、僕は確信を持って言えることがあります。

それは「これを最後までクリアした日本人女性はいない」ということです。

このゲームには、繊細さなどというものは欠片もありません。

ひたすら無骨で、鉄と油の匂いが充満しているだけです。

例えば、ゲーム内にはコアパワーというレベルのようなパラメータがありますが、これを上げても主人公自身が強くなるということは一切ありません。

主人公が装備している、リグと呼ばれる強化外骨格の出力が上がるだけです。

もちろん主人公の肉体を強くすることもできますが、その方法は、様々な特性を持ったインプラントというアイテムを体に埋め込んで無理矢理能力を引き上げるというものです。

回復についても、何かを食べるとか飲むとかではなく、外骨格から直接体内に治癒物質を流し込まれます。

そもそも主人公の外見が凄いです。

最初に行われる手術の結果、頭の一部分が禿げあがっています。

こんな設定と見た目ですから、まず女性は手に取らないと思います。

仮に始めたとしても最後まではプレイしないでしょう。

ただ決して悪い作品ではありません。

マップも良くできていますし、戦闘や設定も硬派でなかなか面白いです。

装備のビジュアルも格好良くて大好きです。

人に勧められるかといえば、何とも言えませんが、少なくとも僕は楽しめています。

まだ途中ですので、最後まできっちりプレイしたいと思います。


――と、気づけばとりとめのない話をダラダラと続けてしまいました。

要は、自作ゲームの開発が一段落して、長い間できていなかったことに目を向けられるようになった、ということを伝えたかったのです。

その気持ちが溢れてしまいました。

ごめんなさい。

取り敢えず今後しばらくは、こうして色々なものを摂取していこうと思います。

そして、この先作っていくものにそれらを上手く繋げていくことができれば、とそう考えています。